強気日記  <阿部八段からのメールで随時更新>

  平成十七年度分

(平成十七年五月十一日〜平成十八年三月二十八日分)

 

 「桜咲く!」

 友人、先輩、後輩からおめでとう!の嵐。
あらためて昇級を実感している今日この頃です。
お酒お酒の毎日?でせっかく少しダイエットしたのに
それもオジャン!
というか前にも増してお腹が気になりだしたので
昨日よりまたリンゴと納豆のダイエットを始めました。
もちろんウォーキングも。
ちょっとはテレビ映りをよくしたい!というが目標ですが
意思が弱く、目の前にご馳走が出されると我慢できない私。
しかし、今度はちっとは本気でやってみよう!と思っています。
さてさてどうなることやら…

 将棋界に目を移すと激闘王将戦が終わり、
いよいよ名人戦の季節ですね。
挑戦者決定戦の羽生−谷川戦は素晴らしい熱戦で思わず
ネット中継に釘付けになってしまいました。
最後の最後まで読みきれない、ほんまにギリギリの勝負。
こういうのはプロの将棋でも滅多にないのですよ!
そして制したのは谷川九段。
久方ぶり(失礼!)関西総大将のタイトル戦出陣ですね!
関西人の気質でしょうか、同じ関西人の挑戦となると回りの
盛り上がりはすごいものがあります。
特に大盤解説ではその傾向がはっきりするようで、
ちょっと谷川さんが苦しいと申し上げ、相手方の勝つ変化をやってると
「そんなんどうでもいいから谷川さんの勝つ変化やってくれ!」と
言われたことがあります。(笑)
とにかく熱烈。親身。うらやましいお話で谷川九段の偉大さを
あらためて感じました。

 さて展望ですが、ちょっと今回はわからん!というのが正直なところ。
両雄の調子はその内容、結果から間違いなく良いと思います。
経験値も互角。となると後は体調、調子の維持に掛かっているのでは?
と推測します。なにせ七番勝負は長丁場ですから。
戦形は谷川九段が工夫しそう。
後手で一手損角換わり、ゴキゲン中飛車など。
森内名人が後手の時は追随するような気がしているんです。
なんとなくですが。森内−谷川戦はねじり合いが多く、
あっさりという結末が少ないように思うんです。
とにかく皆さんが、おお!面白い!と感じて頂ける内容に
なるんじゃないでしょうか。

 ここで宣伝を。四月八日、十二時からNHK、BS放送で
囲碁将棋ジャーナル出演。
 四月十二日、十八時から関西将棋会館で名人戦第一局の
解説を務めます。
 ぜひ!皆様ご参集を!損はさせませんよ!

 二〇〇六年三月二十八日記


 

 

 「ありがとうございました!」

  皆様のご声援のお陰を持ちまして今回このような
 幸運に恵まれることができました。
 朝からお祝いの電話、電報、メールなども頂き本当に
 感謝の意に絶えません。
 今回は自身の最終戦から約一ヶ月、本当に長い一ヶ月でした。
 半分以上はあきらめ、自力でないくやしさなどでうなされる事
 もありました。
  今回は神様からのご褒美だと思っています。
 来期もっとしっかりやりなさい!との激励だとも。
 感慨よりも責任感というか、とにかく大変になったという感じです。
 これからも一所懸命やるしかない!
 変りないご声援よろしくお願いいたします。

  今期の順位戦、総括するといつもながらギリギリの勝負、
 楽に勝てたというものは一局もありませんでした。
 (楽敗はありましたが…対中川七段戦)

  苦しかったのは島八段戦。実は投了を考えたほどでしたから
 勝てたのは不思議でした。

  逆にこれ負けるか…っていうのが野月七段戦。
 桂馬で王手金取り、王逃げて金を取っておけば終わりなのを
 難しく考えて大逆転負け。
 この将棋を負けるようでは今期は終わりと思ったものでした。
 昇級者というのは多かれ少なかれ悪い将棋を勝って勢いに乗る
 もので、良い将棋は快勝でなければ…ってのがあるんです。

  リーグ終盤戦でも井上八段に手痛い負け。
 はい完璧に終わりという感じでした...
 だから今は幸運だったとしか言いようがない、
 幸運という言葉は強者が勝った時に使う言葉で
 私はあまり好きではないのですが(笑)。

  ただ最終戦は気に入っているんです。
 苦戦から最後は作ったような勝ち。内容としては良くなくても
 こういうのはこの後いい感じになることがあるんです。
 棋士も長年やってますから、勘ですけどね。
 今期は結果オーライばかり。

  3日間はゆっくりしますが、もう来期に向けての準備をして
 いこうと思っています。

 (二〇〇六年三月一八日記)

 

 

 「春日和!」

ようやく日中は暖かくなり過ごしやすくなりましたね。
この季節になると毎年悩まされる花粉症も今年はずいぶん
マシで快適な毎日とはいかないものの、それなりに平穏です。

順位戦も一足先に終了。
その節はずいぶん多大な応援をして下さった方もおり、
ありがとうございました。
最終戦は第三者で見守る立場のキャンセル待ち。
当日は怖くて見れないので、奥さんサービスで外出しようかと
考えています。

三月三日に行われた A級順位戦をBSで観戦したのですが、
すごい迫力でしたね!
勝負に賭ける男の顔。いつも見慣れている私でさえ、
格好ええやん!って思ってしまいました。
また今年は最終局まで挑戦、降級とも決まっていなかったので
余計皆さんの関心も高かったようで東西で行われた大盤解説も
盛況だったようです。
将棋の内容で一番印象的だったのは藤井ー久保戦。
途中で、うーんこれは大差だなあーすぐ終わるじゃない?って
言っていたのが逆転してびっくり!しかしこれが将棋の怖さ。
故塚田正夫九段の「勝つことはえらいことだ。」
の言葉を思い出しました。
また、羽生さん谷川さんの安定感も流石。
両先生ともこれくらいは修羅場ともなんとも思ってないよ!
って内容だったのではないでしょうか?
久方ぶりのプレーオフとなりメッチャ楽しみですね。

三月十一日、金沢ニューグランドホテルにて
棋王戦第四局が行われます。
実は初の立会人を務めることになりました。
それにしても月日の速さには驚きます。
まだ若いと思っているのに三十八歳。。。
もう立会人をする年齢と相成りました。(笑)
ただ言い訳させていただくと棋王戦の立会い人は皆、
若返りの方針だそうです。もう私の年齢でも高いほうだとか。。
謹んで勤めたいと思っております。
当日は橋本六段、瀬川四段の大盤解説会や指導対局が行われます。
もちろん私も時間が許せば参加して皆さんと一緒に将棋を
楽しみたいと思っております。
近隣の方はもちろん、たくさんの方々の参加を心より
お待ち申しております。

二〇〇六年三月五日記

 

 

 

 「忍ちゃん結婚!」

  冴えない気分の中、この日記を書いています。 
楽しみにしてた森内戦は作戦勝ちと思って喜んでいたら、
戦いが始まるとすぐに間違えて短手数で投了と、
なんとも不完全燃焼な結末となってしまいました。 
朝までもんもんとした気分で寝れないのは久々でした。
 昨日の対局も自分ながらあきれた内容。
千日手に逃げる手段があったにもかかわらず気づかずに
負けの順に一直線。
 ちょっと自分を殴りたい気分ですね。
 
 さあもう忘れて明るい話題といきましょうか。
岩根忍女流初段が結婚というショッキング?な
ニュ−スはもう皆さんもうご存知だと思います。    
ここだけの話ですが、忍ちゃんからお付き合いしているのは
聞いていたので、さしたる驚きはありませんでした。 
多分ですが、初めての出会いはNHKの講座の時かな?
(間違っていたらごめんなさい!) 
御相手の泉さんとは衛星の仕事なんかでよくご一緒していたので、
初収録の時に挨拶にきてくれたのです。 
そして収録後に家の嫁と四人で食事に行ったのを覚えています。
その時にうん!いい感じやなあといった雰囲気だったので
冗談で泉さんにまた誘ったてな!と茶々を入れていたのですが 
それが本当になって、え―!って(笑)   
あんまりしゃべると怒られるのでこれくらいにしておきますが(笑)
あまりにも大型カップルだったので誰にも言えませんでした。
 ↑(これ本当です。) 
 
 二人の印象はとにかくさわやか。
知的な泉さんの冗談に忍ちゃんがニコニコ。 
第三者まで幸せにしてくれそうな雰囲気を醸し出しています。 
新たな二人の門出に心から祝福致します。末永くお幸せに! 
それから、これからも幸せの御裾分けよろしくね!
 
 二〇〇六年二月四日記

 

 

 

 「今年もよろしくお願いします!」



 本来は新年早々に…と思っていた日記がここまで
延びてしまいました事をお詫びします。 
今年もこれに懲りず応援の程よろしくお願いいたします。 
 
 年末、年始といつもと変わりなく過ごし、
ゆっくりと過ごす事ができましたが
年末から禁煙を行った事により頭がすっきり!と
例年より気合が入っている自分にうれしく思います。  

 最近は年頭に具体的な数字の目標など考えた事がなかったのですが
昨年の反省から、とにかく年間30勝以上はノルマにします。 
本当の気持ちは40なんですけどね… 
まあ40勝以上は三回しか達成した事がないので、
でかい事は言わず一つずつ勝っていきたいと念じています。 
もちろん、対局以外も精力的にやっていきたいと思っています。 
とにかく今までがサボり過ぎ。
やれることがたくさんあると気づいた気がしているんです… 
 
 新年の緒戦、堀口(一)七段戦に勝つことができましたが、内容は…×。
研究というかやってみたい変化があったのですが、
その前に変化され応手を間違え形勢を損なってしまいました。 
途中まで進行が早く(定跡形なので)順位戦では自身初の
夕休前の投了も覚悟していたのですが、突然の大長考で夕休に。
局面が狭く(手がある程度限定されている。)
どの変化も作ったように負けるので堪忍していたのですが、
堀口(一)七段の錯覚で拾い勝ちでした。 
どんな勝ちでも..というのはあんまり好きじゃない(格好つけなんです。)
ですけど 貪欲に..も今年のテ−マだと思ってるんです、
とにかく今はいいスタ−トだと思い込みます。
 
 楽しみにしている対局が近づいてきました。 
24日に行われる、竜王戦森内名人戦です。  
森内さんとは変な縁で、次勝つと当るなと思ったところで、
必ずどちらかが負ける関係なんです。(笑) 
そんな訳で前指したのがいつかわからない程公式戦では戦っていません。
 対戦成績は… 記憶では勝った事ないです。(笑)  
二年程前に森内さんと飲んでる時に、
彼が「大きな所で一度指したいですね..」っと
言ってくれたことがありました。 
うれしかったなあ…彼ほどの棋士に世辞でもそう言ってもらえたのが
たまらなくうれしいかったんですね。 
なんの紛れもなく将棋を楽しめる相手、
教えてもらえる人なのでこの対局が待ち遠しい。
しかし勝負は別。勝たなくてはいけないね!
 
 二〇〇六年一月十七日記

 

 

 

 「よいお年を!」


 順位戦に負けて何をするわけではなく、年末の大掃除に精を出す 
冴えない毎日を過ごしております。(泣) 
今回は今年最後の日記なので反省文を書きたいと思います。(苦笑) 
 
 一に勉強が足りなかった。
これは棋士として恥ずべきことで、中途で改善を 
求めましたが、時すでに遅し。  
効果はすぐに出るものではありません... 
 
 二に運動不足。
体力が落ちたという訳ではないのですが、
体重が増えこれからの成人病対策としては最悪な状況。 
健康があってこそ、好きな将棋も指せますし、結果も残せます。 
将棋は意外と体力というか根気がいるゲームというのは皆様も
ご存知ですよね?
  
 三に呑気過ぎる。(笑)
もっとがむしゃらにと自分自身思います。 
棋士にあっという間の二十年でした。
結果を出さなければいけない年齢なのはあきらか。 
これで終わるか?来年は40前の一仕事。  
息が切れるまで将棋だけやってみようかなと思っています。 
 
 総括すると今までの棋士生活で一番燃えなかった一年の
ような気がしています。  
気持ちの盛り上がりに欠けるというか..
勝つという気持ちが薄らいでいるような。 
勝つ喜びを思い出すために一つ一つの問題に
向きあってクリアしていきたい。
真に頑張るということを実行します。 
皆さんも仕事、勉強大変ですね。
でもお互いに目標をもって生きていけたら幸せ  
ですよね?うん、やったるで!ではよいお年を! 
 
二〇〇五年一二月二十八日記
 

 

 

 「北風、風邪・・・」

 
 一気の冷え込み、夜は本当に寒くなりましたね。
最近も対局がなく盛り上げに欠ける応援ペ−ジに
してしまっていることに責任を感じています。 
ご挨拶が遅れましたが、将棋連盟81周年パ−ティが盛況で
行われた事に感謝いたします。
たくさんの方々に支えられいることをあらためて実感、
これからもどうぞよろしくお願いいたします。 
 
 さて棋界に目を移しますと、竜王戦が意外な結果に
終わってしまいましたね。 
渡辺さんの充実度は見た目以上でしたが、木村七段が
やや低調だったことが全てではなかったかと私は思っています。 
 私の七番勝負の経験は一度しかありませんが、
馴れるまでに二番くらいは必要な感じがしました。 
立会人、解説等で現場の経験はあっても、空気というかペ−スが
対局者になると違うということです。
 和服の対局もあまり経験ないですから。  
二連敗の時点で三局目に勝てばもつれるなと見ていたのですが、
結局馴れた頃に終わってしまったという印象です。 
 木村七段、次チャンスには本領発揮してくると思いますし、
この経験は自信喪失ではなく自信になっていると思います。
 勝負は長いですから。 
しかし渡辺竜王は去年とは全然違う大人の風格を
見せていたのには驚きでした。 
全身にみなぎる自信。
身長が大きくなった訳ではないのでしょうが(笑)
とにかく大きく見えました。
若さというのは偉大ですね、そして自信を持つということの大事さ。 
これからの世代競争がますます楽しみになりました、
 私も傍観者ではなく割って入りたいと強く思います。  
 
 最後にNHK解説での裏話を少し。 
坂東香菜子女流二級と将棋を二番指したのですが予想を越えて
しっかりしているので少々びっくり。
平素はお嬢さんって感じの彼女ですから当初の印象から
「もっと気が強くならないかん!」と、
おっちゃん特有の説教?をしてしまったのですが意外に
ざっくばらんなところもあって人気があるのもうなずけました。 
素質は充分、強くなって欲しいと心から思うのはファンと
同じ気持ちのおっちゃんでした。  
  
追記 また風邪。。順位戦までに治さないと..もうこれしかないからね!
 
二〇〇五年一二月七日記 

 

 

 「不覚・・・」

 寒くなりましたね!皆さんは体調はいかがですか? 
管理人タロウさんは血圧上昇という(くれぐれもお大事に…) 
ということですが、私も順位戦対島戦前に風邪を引きそれが
まだ完治していない状況で大苦戦中です。 
幸い?対局が少ないので助かってはいますが、
なんともすっきりしません。 
 対局は体調万全で迎えたいのは当たり前ですが長い棋士人生
いつも万全とは参りません。 
40℃の熱で対局したこともありますし、
今回も咳と鼻でひどいものでした。 
 しかし私の場合なぜかこんな時は勝率がいいんですよね!
余計なことを考えないのがいいのでしょうか? 
昔と変わったことといえば、対局が終わったら不思議と熱も
風邪もましになっていたものですが今回は全然。
むしろひどくなってしまいました。 
 やはり年齢なんでしょうね、無理してはいかん!と戒めております。 
 さて内容、これは正直ひどかったですね。
 夕休み過ぎでは楽勝かなと思っていた形勢が 
二時間くらいたったら敗勢になっていたのにはあきれました。 
棋譜を見ていただいた方はわかると思うのですがあんな形で
王手飛車、飛車をタダで取られたのは初めてです。  
駒の損得はないので、もう少しだけと思い指し継いだのですが、
感想では決定的な差ではなかったようなのです。  
 まあしかしあれは恥ずかしい内容でできれば見て欲しくない、
自分ではもう忘れようと思っています。(笑)
 
 順位戦の翌日、東京から帰宅。竜王戦第二局が自宅から程近い
ところで開催されましたので出席予定が前途の理由でダウン状態。 
関西地区で竜王戦が行われるのは滅多にないことなのでお手伝い
できなかったのは非常に残念でした。 
 
 またその日は瀬川さんが試験合格のビックニュ−スが! 
ウ−ンすごいねえ。これが正直な感想です。
プロとして少々複雑ながら立派に難関を制した瀬川さんには 
敬意を表します。 
しかしこれからが我々の真価が問われる時とも思います。
 ともあれ今はとにかくおめでとうございます!
   
二〇〇五年十一月一六日記
 

 


 

 「趣味」

 ご無沙汰しております。棋書についてのご意見大変参考になりました。 
今後また書くことになりましたら、皆様の意見に沿った本を出してみたい 
と思っております。 
また「購入したよ!」という方、
御買い上げ本当にありがとうございます。(笑) 
サインが入っていなければどこかでお会いした時に
遠慮なく申し付けて下さい。
手が空いてる限りサインさせていただきます。 
  
 将棋では特別なお話もないので(−− 今回は趣味の話を少し。 
五段に昇段した時になんかやってみようと始めた
スキュ−バダイビングは結婚してからすっかりご無沙汰。 
奥さんがしないので海に出掛けられないのです。
やっぱり一人だけ遊びに行くのは 許せないようですね。(笑)  

 という訳で最近は競馬ウオッチングでしょうか。馬券はもう卒業。
(負けてばかりいるからではありません、念のため。(^^; ) 
予想を楽しみ、騎手心理などその他もろもろ考えながら観戦します。 
先週はたいへんな盛り上がりでしたよね、ディ−プインパクト無敗の三冠。 
競馬ファンならず社会現象ともいえる盛り上がりに我将棋界も…
と重ねて見てしまいました。 
実は競馬、十年前と比べてファンの数が減少しているのは馬券購買数
のみならず 競馬場に行ってもあきらかだったと思います。 
 一人のスタ−(1頭か)の出現であれほどの人が集まるのは正直、
すごいもんだなと思いました。 
ただここがJRAの勝負所なんでしょうね。戻ってきたファン、
新規のファンをいかにして魅せるか。  
魅力あるものならなくならないとはいうものの、
繁栄するにはファンが多いのは不可欠、これは当たり前。
あの十四万人くらいのスタンドを見て、
あらためてその大切さを痛感いたしました。  
 
 ディ−プ三冠達成の夜、競馬関係者の皆様との懇親会があり
競馬好き将棋関係者十人ほどで栗東に行ってまいりました。
こちらが競馬好きなら向こう様は将棋好き(笑)。   
交換教授のようなものでしょうか?(笑)
いろんな苦労話を聞かしていただいたり、また時には厩舎行き
馬を見せていただいたりしたこともあります。 
これは競馬好きにはたまらないことで棋士で良かった!
と心から思います。(笑) 
その御礼といってはなんですが、
指導将棋をして皆さんにも楽しんでいただく訳です。 
 お互いの趣味を通じての出会いに感謝感謝の気持ちです。
  
二〇〇五年 十月三十日記

   

 

 

 「秋、秋、飽き..(笑)」

 対局、仕事ともに少なくのんびりしておりますが(のんびりも飽きた...)
秋らしく食欲は旺盛で、節制していた日々はどこへやら、
ちょっとだらけとる!と自分に戒めることが多いですが、
研究会、家の雑用に明け暮れる毎日は変わっておりません。
対局、自分の将棋は指せていると思いますが、結果は付いてきません。 
棋士は結果が良ければ全てがうまく回る事(体調、夫婦仲(笑)等)が
多いのでこれは当然ながらすごい大事なこと(笑)。
少々能天気な私も後一年この状態が続いたら…と危機感があります。 
自分の中で課題が多いのでそれを修正、クリアしてもっと
ホ―ムペ―ジを盛り上げなくてはいけないと思っております。 
 
 私の方から皆さんに質問したい事がいくつかあります。   
その一弾として棋書について。 
これは初段前後から五級くらいの方
(本を一番読まれる頃がそれくらいだと思うので。) 
に聞きたいのですが、内容はいかがですか? 
実戦に多いに役立つ、棋力がアップした、ちょっと難しいなど
いろいろなご意見があると思いますので、
今度、処女作を出す私としては気になるところなのです。 
(もうすぐ販売なので手順前後ですが。(笑)) 
私個人としては戦法書が多く、私が参考になる本が多いので(笑)
皆様には失礼ですが難しいんじゃないかな?と
前々から思うことがありましたので。 
企画の方のお話ですと戦法書、振り飛車関係は変わらぬ人気があるとか。 
 棋書に対するご意見、こんなものが欲しい!など
聞かせてもらいたいです。  
 
 将棋の日のお知らせです! 
11月20日、ザ・リッツ・カ−ルトン大阪ホテルにて
将棋連盟81周年記念パ−ティーを大々的に行います!
出席棋士はタイトルホルダ−を初め多数で皆様に感謝の意を
表したいと思います。 
御値段が..という方もおられるかもしれませんが、
リッツ.カ−ルトンは世界ナンバ−ワンレベル、料理ももちろん一流。 
森内名人、羽生四冠など大阪イベントでは滅多に見られない、
超一流棋士を間近で接することができるなど、またとない機会です。 
来てよかった!満足感一杯の会になると確信しておりますので
ぜひご参集下さい! 
詳しくは関西将棋会館ホ−ムペ−ジをご覧下さいませ。 

    

二〇〇五年十月九日記
 

 

 

 「平凡な日々」

 昼はまだまだ残暑が残り、夜は急に冷え込むといった体調の 
崩しやすい日々で対局もなく日記のネタもなくとついご無沙汰 
してしまいました。 

 今日は最近の将棋界の熱いバトルについて雑感です。
昨日の瀬川さんプロ編入試験の将棋はすごかったですね。 
久保八段相手に千日手と思われる将棋を堂々と打開し優勢といえる 
局面を作りあげたのですから。 
瀬川さんの精神力には程々感心します。メデアに注目され対局室の
開始前の雰囲気は普通ではないはずです。
 私もタイトル戦を経験した時、指が震えて恥ずかしい思いを
したことがあります。 
始まってしまえばカメラマン等も退室しますが、彼が奨励会、
 アマ大会では経験したことがない環境なはずですから。  
主役としてそこに座るのと見た事あるの第三者では大違い。
その中で充分実力を発揮できているのは素晴らしい事だと思います。  
 
 プロの方もすごい勝負を繰り広げているお二人がいますね。 
もちろん羽生さん佐藤康さんの二人です。 
よくもまあ、あの過密スケジュ―ルの中で高度なアイデアを
持っているもんだと思います。
力戦形、前例の少ない将棋というのはものすごく疲れるもんなんです。 
定形の序盤を速く指して、どこかで一工夫というのが
最近のプロ将棋の風潮の中で、序盤の一手一手から見たことのない、
時間の要する神経が研ぎ澄まされてないと作戦負けになる、
すなわちトッププロでは取りかえしにくい差となってしまうわけです。 
 しかしこれは楽しい事なんだと気づかされました。 
前例で研究もいいけど関係なく俺の方が将棋が強いんだぞ!という
二人の自信の表れでこういう戦い方を忘れていたのが
現代のプロだと思います。
研究の最先端をいった後に二人で示し合わせたかのような力勝負。 
以心伝心、二人が認め合っている証明だともいえます。 
 それにしても佐藤さん、八月の将棋祭で会った時の
身体から溢れる自信、すごかったな―。 
間違いなくいい結果がでるんじゃないかと
思ったんですけれど、流石羽生さん。
もうすぐ一つの結果が出ますが大注目して皆さんもご覧になって下さい! 

追記 駒落ち村助役さんへ 
   ファンを大事にする。それは将棋連盟の方針です。
   至らない点本当に申し訳ありません。 
    
   まさきさんへ 
   キリ番ゲット!おめでとうございます!!
   下手な字で申し訳ありません。(笑) 
 
(二〇〇五年九月十九日記)

 

 

10000ヒット!」


ずいぶん涼しくなって過ごしやすい季節になりましたが皆様 
御機嫌はいかがでしょうか? 
八月は棋士になって初めてといったくらいひどい逆転負けの連続。 
でも、もう吹っ切れた気がします。ここが最低ラインのはずだから
これから先は上がる一方のはずと楽観的に考えています。(笑) 
最近変わった事といえば一対一の研究会を始めてみました。 
前は家から連盟まで30分程の通勤時間でしたが、
二年程前に結婚して 一時間二十分程かかることもあり連盟に
いって将棋を指すということが極端に減りました。 
その結果ががこれかな?といった反省もあり、ひさびさの
研究会復活を決意した次第です。 
やってみてやっぱり実戦不足だった…という手応えがあり、
ちょっとだけ自信回復、また将棋ってやっぱり楽しいね!っと
いう気持ちの変化が生まれました。 
気持ちの持ちようってものすごく大きくて、負けるとしばらく
将棋を指したくないと思う時もあるのですが、今回は研究会を
したことによって楽しいという気持ちを思い出せた。 
これはなにより大きな収穫、そう思えるうちはまだ強くなれると
信じるからです。 
棋士になって二十年、もう少しで40歳という事になりますが、
関西には  谷川先生という素晴らしい御手本がいます。
実績、実力とも全然およびませんが棋士である以上、
上を目指すのが信条。   
まだまだ強くなりたいと思っておりますので、
あきれず応援していいただければと御願い申し上げます。 
あ!10000ヒット!うれしいなあ。
駒落タロウさん本当にありがとうございます。 
もちろん見て頂いてる方にも! 
 
二〇〇五年八月三十日記

 

     

  「今週は将棋祭りに注目!」

暑い日が続き少々バテ気味なこの頃ですが、夏の甲子園大会 
を見ると気持ちが凛とするようで昔、野球少年だった血が騒ぎます。 
負ければ次のない勝負、ただひたむきに白球を追う姿はなんとも 
いえないですよね!
忘れているものを思い出させてくれたところで、仕事を頑張らねば 
いけないと思わせてくれます。
  
ただテンションは最悪。(笑)さすがに竜王戦木村七段戦は反省の
多いというか 自分の頭を疑いました。 
平凡に数の攻めなのだから受けも数の受けで優勢なのにその手が
全然浮かばない。おそらく、級位者から三段くらいの方なら
ノータイムなのではないでしょうか?(笑) 
時間もありましたし、平凡中の平凡が一秒も見えないというのは
初めての経験。う―ん、やっぱり頭が変..(笑)
ちょっと考えさせられた出来事でした。
  
今週は対局一局と近鉄将棋祭出演がおもな仕事です。 
私の出演日は十三日。佐藤棋聖との対局とト―クショー、
十面指し指導対局が私の出番となっております。  
佐藤棋聖とは兄弟弟子の関係ですから、
普段とは違う?佐藤さんの一面を 引き出したいと思っております。 
佐藤さんは苦笑いの連続になるかもしれませんが、
そこは私が兄弟子の権限。(笑) 
普段滅多に見ることできない素顔をぜひ皆様にお見せできるよう
頑張るつもりですので楽しみにしておいて下さい。 
その他イベントがたくさんある夏の将棋界の風物詩といえる将棋祭。  
将棋の楽しさを皆さんとじかに接して共有できる数少ない機会を
大切にしたいと思っています。 
来て面白ろかった!と言って頂けるよう、
関係者一同、腕撫して御待ちしております。(笑)
ぜひ!ご来場下さい!
  
(二〇〇五年八月十日記)

 

 

「もうすぐ順位戦!」

皆様おひさしぶりです。対局は少なかったのですが、
家族旅行やなんやらで ご無沙汰してしまいました。
北海道に行ってきたのですが、むこうは涼しくて日中でも26度くらい、
夜は 20度切るくらいで過ごしやすい休日でした。 
レンタカ―がおもな交通手段だったので少々疲れましたが、
食べ物はうまいし、景色も最高。
夫婦喧嘩を除いては(笑)楽しい旅行でした。

 近況の将棋内容についてお話します。 
順位戦先崎八段戦は優勢から一転、敗勢と負けを覚悟していたのですが 
攻め急ぎに助けられ辛勝。しかし途中の見落としは恥ずかしいもので 
先が思いやられるなぁーといった感じです。 
棋王戦の郷田九段戦。作戦勝ちを意識しながらも攻めに自信が持てず 
自重した結果千日手。後から考えると仕掛けてはっきり優勢にはならない 
ものの行く1手だった。。。難しいものの指せる将棋でした。 
指し直しははっきり優勢になり、さてどう決めようか!
というところでしっかり読む。 
えっ!というくらい難しい。。。
理論的には楽勝のはず。(駒得、王の固さ、駒の働き)  
時間に追われ、嫌な予感通り郷田さんに絶妙手。 
感想戦で勝ちはあったもののそれは一つ。
自分の甘さにまた嫌になってしまいました。(涙)
以上愚痴になってしまいましたが、調子は悪くありません。 
もっと集中して勝負を大切にしなければと思うのです。
意外に思われるかもしれませんが(笑) 
そこに自分の欠点があると思っています。  
明後日順位戦、27日竜王戦と大きな勝負が続きますが、
緊張の中にもいい将棋を指したい!  
という楽しみな気持ちもあるので精一杯頑張りたいと思います。 
 
質問D。。。占いですね。(笑)
いいでしょう!強気度みてもらいましょう。(笑)  
まず犬。@可愛いA人なっこいB賢い 
次、熊。@大きいA呑気そうB怒ると怖い
最後に馬。@美しいA速いBやはり賢い 
以上です、よろしく御願いします。(笑) 
 
(二〇〇五年七月二十日記)
 

 

 
「暑くなりましたねぇ!」
 
それにしても急に暑くなりましたね、しかし体調はこの季節から絶好調になる
というのが私の定跡。 
夏生まれのせいもあるでしょうが、冷房は程々に水分をたくさんとって汗を流す
 というのが夏負けを防ぐコツのような気がします。
 
ちょっと遅れた話題になりますが名人戦は素晴らしい勝負でしたね!
思いが伝わってくるような御二人の顔をBSで見て心が熱くなりました。 
大きな勝負になると勝ち負け以外にもいろいろな事を考えたりするものです。  
しかし二人にはそんな邪心は一点もなく、目の前の局面に全力を尽くすのみ!という気持ちだったように拝察しました。
人の心に残る勝負を演じる事は棋士の本懐。  
うらやましい御二人にご苦労様と申し上げます。
 
今週の私は金曜の順位戦まで特に仕事はないので、
 心置きなく将棋の勉強と家庭の雑事(笑)に打ち込むことができます。   
もう後のない状態かな?っと思っておりますが、
 深刻になってもいい事はないので、自分の将棋を指そうと強く思います。
困った時には自分を信じてやるしかないですから。 
だから自信家と言われるんでしょうね。(笑) 
 
質問のお答えしたいと思います。今回は上達法についてですね。 
@四段レベルからの向上は?
将棋が三度の飯より好き!という方なら四段レベルは
 誰でも可能だと思っているんです。 
ただここから先は工夫が必要かもしれませんね。
  今回は早指しで一日何局もやるのがいいのか?
 それとも一局集中で?ということですけど、
 今までの自分と逆パタ―ンをやってみるのもいいかもしれません。 
苦手を克服すればもう1ランク前進というのもよくあることだと思いますので。  
ただ私も含めて向上心は大切ですよねぇ、
 これを失わないようにしないといけませんよね! 
 
A上達するには得意戦法を持つほうがいいのか?
 いろいろな戦法を勉強した方が強くなる?
即効性は絶対前者。自分の得意な形を極めるというのは
 有益かつ、手っ取り早い上達法。
得意戦法は持つべきだと思います。 
ただものすごく長いスパンで見た場合は
 後者も捨てがたい味があると思うんです。 
知ってる事が多い方がより将棋を楽しめるじゃないですか!  
 
(二〇〇五年六月二八日記)

 

 

 
「暇な一週間」

先週は金曜に辛い事がありまして(笑)どうにも気分の晴れない今週となった 

訳ですが、それもこれも終わった事。 
次に向けての準備と静養という意味でのんびりした1週間となりました。 
さて、今日はいつも書き込みをして下さる泰山鳴動さんの質問にお答えしたい 
と思います。 
 
質問@生まれ変わっても現在の奥さんと結婚したい? 
これについては怖くてしゃべれません。(爆笑) 
もう指してしまいましたから?最善を尽くすのみ!です。(^^;
   
質問A子供が出来て男の子ならどんな職業に? 
打ち込める好きな事を早く見つけて欲しい。
やっぱり自分に照らし合わせてしまいます、いろいろあっても
好きな将棋で生きていけるのは幸せだと思っております。 
 
質問Bアマの指導で指した方をどれくらい覚えてる? 
特徴のある方(失礼!)なら100%ですが、指導将棋を指した方に関しては 
8割方大丈夫だと思います。 
結構、顔を拝見しながら指導しておりますので。    
ただ困るのは名刺を交わしたのにどうしても思い出せないというのがよくあるんです。  
将棋を指してる時と集中力が全然違うらしいんですよね…(−−
 
これからもご質問等がございましたら掲示板の方へよろしくお願いいたします。  
できる限りお答えできればと考えておりますので。 
ただ答えにくい質問にはご容赦くださいませ。(笑)
作務衣コレクションは近いうちに駒落タロウさんに画像を撮ってもらおう 
と思っております。
 
(二〇〇五年 六月一六日記)
 
 

 

 

 

「うれしい結果!」

 なにかと忙しくしてた五月でしたが、最後にご褒美として竜王戦二組優勝といううれしい結果を残すことができました。
 これも応援して下さる皆様のおかげです、ありがとうございます! 

 内容はタロウ管理人さんが書かれている通り、
超力戦形で最後まで勝ちの見えない将棋。
楽観派?(自分ではそうは思っていませんが.....(^^; ) 
らしい自分では 終盤まで勝ちには見えないが負けとも思えない。
こういう将棋は本当に珍しいのです。(笑)
終盤で悪手を指しながら残っていたのは幸運以外のなにものでもなく、 
まさしくご褒美と感じた次第。   
続く竜王戦の本選、欲を出しすぎず自分らしい内容でと思っております。  
 
 さて名人戦第五局が始まりましたね!戦形はなんと相横歩取り。 
競馬に例えると単勝万馬券に近い予想だったのではないでしょうか? 
私自身は後手を持って二局経験がありますが結果は二敗。(笑)
序盤からいきなり終盤戦へ!の可能性がありますから事前研究が 
ものを言う戦形です。 
どんな新手が飛び出すか?おそらく森内名人注文を羽生四冠が
堂々と答えていき さてどっちが正しい?という戦い。 

 と、いう訳でここで宣伝です。(笑)
三日、関西将棋会館で大盤解説会が行われます。 
解説は私阿部です。将棋の楽しさ、また奥深さ、対局者のエピソ―ドetc...
皆様の疑問、知りたい事を私の知る限りお答えしたいと思っております。 
最高峰の将棋を堪能していただくべく、優しい解説を心掛けて参りますので 
ぜひ!ご参集お願い申し上げます。
 

(二〇〇五年、六月二日記)

 

 

 

 

 「名人戦」

 

花粉の季節も過ぎ、対局もさほどないのんびりした季節・・・ 
私にとっては一年間で一番ホッとした季節ともいえるのですが 
今年はイベント等で使って頂くことも多く、何かと忙しい日々を 
過ごしております。 
 

 さて明後日、二十三日からは名人戦第四局が山口県宇部
 全日空ホテルで行われます。私もNHK衛星放送で
 し―ちゃんこと岩根忍女流初段と解説の方を務めさせて頂きますので
 ぜひ遠方の方はテレビで、御近くの方はご来場して 

下さり、生でその緊迫した勝負を楽しんで頂きたいと思います。
 (絶対後悔させませんから!) 
 

 では私なりの名人戦の感想を少し。

開幕前は羽生さん絶好調、森内さんやや低調ということもあり、
 勢いそのままに羽生さんが有利だろうと見られていたのですが、
 流石名人!という内容で二、三局連勝とまったく予断を許さない展開に
 今年の名人戦は両雄の持ち味が実力がいかんなく発揮されていると
 いうことが言えると思うんです。 
 お互いの持ち味が発揮されるというのは皆さん意外に思われるかも
 しれませんが、そうあることではありません。
どちらかが不本意・・負けたけどベストだったと思えることは年にそうはないでしょう。 
 しかし今回は三局とも名局。両雄にとってある程度納得できる
 内容だったのではないでしょうか? 
決まった定跡形もいいのですが、訳のわからない力勝負、
 局面においてこそ両雄の実力が発揮されます。 
最高峰の戦い。終局十分前までどちらが勝つかわからない、
  そんな勝負を見てみたい。(指してみたい。) 
 戦形予想、振り飛車はないでしょう(笑)おそらく矢倉。
  両雄の健闘を期待しております。  
 
(二〇〇五年 五月二十一日記)