質問色々 お母様編

 

 

 Q1 阿部八段はどのようなお子様でしたか?

   幼少の頃は、今とは全く違って大変無口な子でした。(笑)

   3歳の頃からかパズル類が大好きで、友達が家に遊びに来ても

   パズルばかりに熱中して、その友達は飽きてしまって他の遊びに

   誘ってくれるんですが、それでも一人でパズルに夢中でしたね。(笑)

 

 Q2 小学生の頃のエピソードは?

  ある日、担任の先生から学校に呼び出されてあわててうかがったところ、

  「図画工作の時間に服を汚さないよう絵を描くようにと指導しているのですが、

  隆君は全く言う事を聞かないのでご家庭でご指導下さい。」と言われました。

  よく聞いてみると、絵の具がごちゃごちゃになっても分からないほど

  集中して描いていたようなんです。

  そう言えば、袖口を絵の具で汚して帰ってきてたんですが、私は先生に

  「隆は服が汚れるのも分からないくらい一生懸命に集中して絵を描いている

   のだから、私は叱るどころか誉めてあげたい。」と申し上げました。

  私には一生懸命にやっている子を叱る事は出来ません。(笑)

 

 Q3 隆少年が将棋に熱中しだしたのを見てどう思われましたか?

  将棋のルールは親戚のおじさんに教えてもらったんですが、それからすぐに

  夢中になってしまいました。(笑)

  当時、学習塾に行かせていたのですが、よくサボって将棋道場に

  行っていました。学習塾からの電話ですぐにばれて何度も何度も

  叱ったのですが結局直りませんでした。それでも何度も叱ったのですが

  もう言う事は聞かんし、根負けして仕方が無いと諦めてしまいました。(笑)

 (阿部八段の声。「そんなに叱られたかなぁ?右の耳から左の耳に流してた。」)

 

 Q4 隆少年からプロ棋士になりたいと聞いてどう思われましたか?

  プロ棋士の存在を知らなかったので「将棋」で食べていけるとは思っていませ

  んでした。当時通っていた十三棋道館の北川さんからは大変厳しい世界だから

  やめたほうがいいと聞かされました。ですから、親戚中を呼び集めて隆を座らせ、

  皆で大反対したんですが、結局これも聞きませんでしたね。(笑)

 

 Q5 無事、四段になれた時のお気持ちは?

  それはもう嬉しかったです。

  奨励会も短く17歳で四段でしたのでそんなには不安も無かったです。

 

 Q6 その時に阿部四段から「もう仕事やめたら」と言われたそうですが。

  私もまだまだ若かったので子供に頼るつもりは無かったです。

  口ではそう言っても、やはり嬉しかったですね。(笑)

 

 Q7 「第十二回全日本プロトーナメント」で優勝された時は?

  もちろん嬉しかったのですが、早くA級に上がって欲しいと思いましたし

  今でもそう思っています。

 

 Q8 竜王に挑戦した時は?

  隆は何だかのんびり屋で普段の生活も取材に対しても普段のままでしたね。

 

 Q9 プロ棋士を目指す子供の母、プロ棋士の母として気をつけたことは?

  将棋の事に対しては極力口出しはしていないつもりでしたが、

  そうじゃなかったかもしれませんねぇ。(笑)

  できれば四段に成ってからでも、北野高校から国立大学へ行ってもらいた

  かったんですが。(笑)

 (阿部八段の声あり。「そんなん無理に決まってるやろ〜!」)

 (管理人注。北野高校は関西屈指の進学校で毎年東大・京大などへ多くの

  合格者を送り出している。阿部家の前住所から目と鼻の先に所在する。

  阿部八段によると、中学の相当優秀な友人が進学したが着いて行くのが

  やっとだったそうだ。)

  

 阿部八段の幼少の話を、終始にこやかに話してくださったお母様。

 八段への愛情を存分に感じることが出来ました。

 本当に有難うございました。<(_ _)>

 

  阿部八段のお母様による絵画です。

  絵の前の布人形とその器もお母様作です。

  因みに「作務衣コレクション」の掛け軸の書もお母様の手によるものです。