男気日記 平成21年度分

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 「応援ありがとうございました。」

 一年間ご心配おかけしてすいません。

沢山の励ましや声援ありがとうございました。

ひどい成績でしたが、なんとか残留しました。

 私は棋士になってから全力で取り組みましたが、

なかなか昇級出来ずにCクラスに13年もいました。

そのせいか、B1に昇級してからは、今の地位は自分の才能、器を考えると

出来すぎなのはいつも意識してまして、

(自分より遥かに実績のある棋士達と戦うのはしっかりと、きっちりと指さないと)

と考えてました。

 結果、最近はわからない局面になると、いつまでも決断出来ずに、

気持ちは焦り、感触の悪い手などは、なかなか着手出来ずに、

持ち時間はなくなり、競り合いの局面でポッキリ折れてしまうことが続いてました。

 今の私の実力では、一局の将棋で、二つの選択肢のどちらかが最善手なのに、

考えても考えてもわからない局面が、四回、五回あります。

 昨年末から、考えても解らない局面になった時に、

(短手数で負けても、ポカが出ても、ひどい逆転負けをする可能性があっても、

自分の限界を一手に込めよう)そう決めまして、決断、つまり指し手も早くしました。

 今は、考えても解らない局面や、今までの常識が通用しない局面になると、

昨年はイライラしてたのが、楽しく考えてます。

 これは、アマ時代や、奨励会の下級者時代は解らない時はいつもそうでした。

しかし上級者に上がって自分の我流ではどうしても越えられない壁に何度もぶち当たり、

我流を押さえて我慢して、本質、最善策、最善手を追究して、何度も危機を越えて、

今の位置まで来ましたが、もう一回、筋が悪くてもきれいな洗練された手でなくても、

 私自身の手、畠山の一手をもっと表現しようと考えました。

 それで結果がでなければ仕方ないですし、その姿勢をある一定続ければ、

必ず成果が出ると思ってます。

 勝負事の怖いのは、ある時は、素晴らしい成果の出た努力方法が、

すぐあとには全く逆効果のやり方になるので、今は対局に臨んで、

二つの心構えを用意してどちらかを選んでますが、B1棋士と対戦してますと、

今の倍のものを準備しないと上はもとより、生き残りは厳しいと感じます。

 勝負の世界、確実なもの、大丈夫なものは何一つないですが、

ギリギリの局面で自信を持って決断できるように自分を鍛え上げて、

一局に一手は自分の限界を越える一手を指したいです。

 残ったからには昇級目指して、力振り絞って頑張りますので、

こんな畠山でも見て下さるなら、また応援よろしくお願い致します。

(平成22年3月15日)

 

 

 「10年ぶりに」

 もう3月ですね。

 成績でご心配おかけしてますが、元気です。

仕事上の変化が多い時節ですが、

畠山も昨年夏の奨励会試験終了時に理事会に、幹事辞職願いを提出し、

受理されまして、(かなり強引にやってしまいました。)

今月契約がきれますので九年間つづけた、関西奨励会幹事を辞任します。

 それにしても長くやり過ぎました。

 私の考えは昔からかわらず、

(少年少女、若者の指導者は同じ人物が長くやるべきではない。)と

考えますし、皆様もスポーツの世界のニュースでは同じような言葉は

何回も訊かれたことがあることでしょう。

激動の九年間で、トップアマのプロ制度制定をはじめいろんなことに

関わりました。

 ここ三年は、関西の若手に優秀な人材がどんどん出てきて、

幹事の仕事ぶりに対して関係者皆様から、

有難いことに過大なる評価をいただきまして、

毎年3月の契約切れの数ヶ月まえに辞任を口にすると、

関係者や、後輩から、強く続投を求められて、

3月に一年の契約書にサインする繰り返しでした。

 自分の中では、理想の半分くらいしかできませんでしたし、

至らぬ点も多々ありましたが、関西奨励会を取り上げてくださった

沢山の記者の方々、それに前半三年間、畠山とパートナーを組んだ井上八段と

後半パートナーだった脇八段、支えてくださった関西理事会には

心より感謝申し上げます。

 長い間ご指導ありがとうございました。

そして、声援をくださった沢山の将棋ファンの方々には心より、感謝申し上げます。

(平成22年3月9日)

 

 

 「冬の必需品」

 2月にはいり、順位戦の成績が良くないせいもありますが(泣)、

寒くて凍えてます。
 
 本来、北海道、札幌市育ちの私は冬が大好きですが、

前にも何度もかいてますが、十年前から低体温・冷え性になり、

今年も相変わらず、上が100を切る低血圧で、

地球温暖化が言われる昨今なのに、年々寒く思います。

冬に準備するものも多く、畠山と比べて皆様はどうでしょうか?

 畠山の冬の必需品を列べると、

五本指靴下、その上に重ねて、冬用靴下、レッグウオーマ、

カイロ(貼るやつ、貼らないやつ、靴下用、靴用。)

手袋、マフラー、マスク、以上が外出時。

 家では加湿器、朝、晩のショウガ紅茶。

とにかくできるだけのことをしてます。

気持ちだけは、一年間熱く 向かって頑張ります。

(平成22年2月2日)

 

 

 「一年間ありがとうございました」

 この一年間、温かい応援ありがとうございました。m(__)m

整骨院の先生の指導で、体質もよくなり、

正座の時間も長くなりました。

来年はより盤上に打ち込めると思います。

家内の乾燥肌と、私の神経疲労の療養を兼ねて、

29日から自家用車で、徳高知県の桂浜や、

徳島県の祖谷温泉、香川県の金比羅さんを旅して帰宅しました。

家内は城が好きでもありまして、

徳島城、高知城、丸亀城、高松城も回りました。

今朝の徳島祖谷温泉は、雪でしたが、雪道の下りカーブでブレーキが

きかなくて山肌と溝に直進した時は、一瞬スローモーションになりましたが、

大量の道路工事の柔らかいコーンに跳ね返され、

車も我々も傷一つなかったですが、肝を冷やしました。

あれがなければ、今頃病院でした。

来年はあまり心配おかけしないように致します。

皆様良いお年を。

(平成21年大晦日)

 

 

 「無題」

 いよいよ師走ですね。

北海道育ちの私は冬は大好きですが、30歳を過ぎ冷え性になってからは、

すぐに風邪を引くので油断できない季節です。

 先月の順位戦、阿部八段戦は大好きで自信のあった戦型で負け、

2日の王座戦の谷川九段戦は微差で優勢が続き、勝ちを確信したつもりの

最後に大ポカで、連続で逃げるように帰り、翌日の夕方まで寝込みました。

 強くなってる実感があるのですが、結果が出ないもどかしさで、

気持ちが荒れてます。(いけませんねえ)

 疲れるとipodで音楽ばかりきいてますが、もう許容量が一杯で入りません。

サザンとミスチルは全曲入れたいのですが。

この年で、流行の曲を聴くのは恥ずかしいのですが、

最近いきものがかりの唄が耳に残り、よく聴いてます。

あと年齢のせいか歌詞の重いのは疲れるので、洋楽やピアノ曲なども聴きますが、

基本的に唄は軽くて聴きやすいのがすきですね。

昔はイントロクイズなんか、ものすごく早く答えられたのに、

先日テレビ番組を見て、家内とやりましたが全然駄目で、

詰め将棋同様に答えが脳のある部分で止まってる感じで(汗)

それでも成長できる何かを探して、生きていかないと飯の食い上げになるのですが、

いまだに見つかりません。どうしよう。(困)

(平成21年12月3日)

 

 

 「ご無沙汰です」


 長い間失礼しました。

 この数ヵ月、書くことが多すぎる気がして、

結局整理出来ずに、何も書けませんでした。

プロ棋士の立場で、何かを公の場で書くのは、

大変エネルギーがいるので、ご無沙汰してしまいました。

これも先月の話ですいませんが、棋士会フェスティバルin関西に、

本当に多くの方々にご来場頂き、本当にありがとうございました。

そして、関係者の方々に沢山助けて頂きましたが、

何よりも、棋士会長の谷川九段の行動力には、

関係者一同、脱帽でした。

どれだけ書いても足りませんが、多くの方々に、

実行委員の1人として、深く感謝致します。

 あと、奨励会幹事としては、今年の関西は過去、

最多数の受験生が8月の奨励会試験を受験しました。

プロの世界は、厳しいことしかありませんが、

その中にある光を自分自身しっかり意識して、

日常を過ごさないといけないと思います。

では、次の日記がどれだけ先かわかりませんが、また会う日まで。

(平成21年10月10日)

 

 

 「五月なのに」

 インフルエンザがすごいですね。大阪は大変なことになってます。

今のところ、季節性のものと症状は変わらないみたいなので、

あまり神経質に、なにもかも中止や延期にするのも賛否両論ですね。

イベントの責任者は大変ですが、行事がないと子供たちのストレスが

たまりそうで、そちらも心配です。

私もすぐ風邪をひくので、冬場はマスクを欠かせませんが、

まさかこの時期まで、マスクが離せないとは、皆様もお気をつけください。

19日は竜王戦の対局、フラフラでしたが、翌日の早朝野球リーグのメンバーが

どうしても足りないとのことで、朝7時にグランドへ。

 助っ人トリオの打撃と脇八段の好投で、七対三の勝ちも、

初対戦の相手の投手の速球を、口に受けて腫れて、軽口を叩けなくなったので、

かえって良かったかも?

 早朝野球は六年目で、私は今シーズンは初めてでしたが、本当にいいですね。

とにかく試合中は声を出し続けるので、ストレス解消になりますし、

リーグ戦は自分よりはるかに強いものに向かって行く気持ちでやるので、

(野球部出身者も多い)少年の頃の気持ちがよみがえりますし、

将棋にも役立ちます。

まともに考えると、歯が立たないような投手でも、強い気持ちで向かえたら、

たまにヒットが打てるんです、やはり勝負は怖いというか、

闘う気持ちが大きいのか、ちなみに野球の成績は聞かないでください。(笑)

(平成21年5月20日)

 

 

 「連休の旅行記と告知です。」

  前回は、日常をだらだらと書いてしまいましたが、

その後も、色々予定がつまり、1日中、家で勉強する日はなかったです。

 ただ、空き時間にはもちろん勉強時間に当てましたし、

今後の人生で、一日中こもって将棋に取り組める日は

減っていくのでしょうけど、集中してしっかりせねばと思います。

 連休は、久々に予定をあけて、家内の親の故郷の仙台へ。

初日は松島へ。翌日は気仙沼から、平泉、中尊寺金色堂、鳴子温泉泊。

三日目は、最上川下りをして、羽黒山の五重の塔から出羽三山の寺院を見て、

天童温泉泊。

 最後に、山形の山寺から、まだ雪深い、蔵王温泉に入り、戻りました。

 鎌倉時代の前の、源氏と平家の古戦場の地を、

松尾芭蕉の奥の細道を辿って巡りましたが、今でも山の奥深い場所に、

見事な建造物が突如あるので、幻想的で感性がリフレッシュしました。

 これで勝負も絶好調になればよいですが。

 しかしETC割引のため、すごい渋滞に巻き込まれました。

 ところで今日は東京で、将棋世界誌の仕事で、

関西若手について、橋本七段と座談会。

 私は幹事として、呼ばれただけと思いますが(笑)、

橋本七段の発言が鋭く若手を分析してます。

是非とも来月初旬の将棋世界をお買い求めください。お願い致します。

(平成21年5月11日)

 

 

 「理由はないのですが。」

 すっかりご無沙汰しました。

 この1ヶ月、沢山の方々とお会したり相談したりされたり、

色々なことがあり、普段の何倍かの個人的な事柄に追われてまして

更新遅れの言い訳に、この一月を軽く振り返ります、お付き合いを。(笑)


 先月の23日から。

 23日、研究会。

 24日、自宅で勉強と雑用の整理。

 25日、午前神戸で面会と陳情に、午後、大阪で逆の立場。

 26日、奨励会例会、朝7時40分から、午後8時前まで。

休憩時間は35分、終了後棋士仲間と軽く飲む。

 27日、年に一度の奨励会の大会、抽選と、勝者組、敗者組の

トーナメント表の作成。60人分を脇八段と2人でやる。激務です。

午後、平行して16歳になる会員に、記録係の研修で模擬対局。

残り時間10分から秒読みの練習、私も声が枯れる。この日の休憩は20分。

終了後、関西理事、幹事計4人で会議と食事。ご理解に感謝。

 28日、家内と買い出しと雑用、夕方、棋道館指導対局。

 29日、NHK杯解説のため、新幹線で東京へ。

散髪、新宿泊、風邪気味で、自室で棋譜並べ。

 30日、午前、NHKスタジオへ。

午前中の解説の谷川九段に、奨励会の大会のお礼を申し上げに行くも、

逆に食事をご馳走になる。恐縮。

午後解説、阿部、矢倉戦、居飛車党の阿部八段が、振り飛車に。

双方引かない面白い将棋でしたが、千日手局も大乱戦ですごく面白かったです。

ファンの方々は、「私は阿部八段の味方」と思ってる人が多いので、

逆に厳しめに(笑)、私もあらゆる戦形を指しこなしたいのですが、なかなか。

夜、阿部さんにご馳走になり、関西勢で揃って帰阪。

 31日、研究会、昼、どうしても外せない所用で出て夕方再開。

 翌1日、東京へ。新宿泊。

 2日仕事、夜羽田空港から帰宅。

 3日、師匠の森安七段の道場で指導対局

師匠と私を応援していただいている、ファンの方々にご馳走になる。

二件ハシゴ。
 
 4日、午前雑用の整理。夕方家内と見たかった映画[ワルキューレ]を観る。

後に買い出し。

 5日、家内と近所で花見がてら、今後の相談。離婚じゃないですよ。(笑)

ローンや高額生活用品の買い替えか否かとか、

連休の旅行プランの話し合いも、手合い違いで敗れる。(泣)

 6日、奨励会の例会日、温かくなると、気が緩むので引き締め。

 長くなりましたので止めますが、対局以外に棋士がどんな日常を送ってるか、

ひとつのモデルと思って戴ければと思いました。

(平成21年4月26日)

平成20年4月〜平成21年3月

平成19年4月〜平成20年3月

平成18年10月〜平成19年3月